パーキンソン病は神経変性疾患に分類されており、加齢がひとつの発症原因となっています。そのため、高齢者に多く見受けられる疾患の一つです。パーキンソン病患者の平均寿命は、一般の平均寿命とほとんどかわらないと言われています。そのため、患者さんはパーキンソン病と付き合っていくことを余儀なくされます。60歳で発症した場合は、20年程付き合っていくこととなります。
パーキンソン病は、脳内のドーパミン減少に伴って、主に運動調節機能に問題がでる疾患です。よく知られている「手足の震え」以外にも、筋肉のこわばり、一歩前に出ないすくみ足や、小刻み歩行、バランスがうまくとれない姿勢障害、表情を主る筋肉の緊張に伴う仮面様顔貌など運動障害があげられます。
また、自律神経障害を併発することが多いため、便秘など排便障害や頻尿などの泌尿器障害、不眠、起立性低血圧などの症状が出現します。そのほかに、うつや認知症状などの精神障害を併発する場合もあります。これらは非運動障害と言われています。
パーキンソン病治療には、ドーパミン薬などを投与して運動機能の改善を図りますが、投薬期間が延びるにつれて、投薬量が増えていきます。また、投薬の効き目がよいときと悪い時がはっきりと現れる「オン・オフ現象」などが起きやすくなります。
パーキンソン病のケア
1)症状のコントロール
2)車いすでの生活や寝たきりへの移行防止
当院で提供している「三焦鍼法(さんしょうしんぽう)」はパーキンソン病などの神経変性疾患に対し研究・臨床応用されています。研究によると、軽度中度のパーキンソン病患者に対する介入は有効で、運動障害や非運動障害の改善がみられたという結果が報告されています。投薬と違って飲み合わせなどもないため、薬物療法やリハビリ等運動療法と併用することが可能です。
寿命が変わらないということは、「運動機能をいかに良い状態で残存させるか」「非運動障害でいかに苦しまないか」ということが課題となります。
当院では、「薬物療法や運動療法は継続する」「鍼施術で全身調整をしリハビリしやすい体にする」「鍼施術を併用し薬物量を増やさないように状態の維持(または症状改善)を目指す」などを目標にしたケアに取り組んでいます。
現代医学的治療法で成果が思わしくない場合や、鍼施術を試してみたい場合は、一度試してみることをおすすめします。