top of page

出来ることは自分でやるセルフメディケーションも有用。お灸や置鍼などはいかがでしょうか?

セルフメディケーションという言葉をご存知ですか?

セルフメディケーションは「セルフケア」と呼ばれるものです。鍼灸でいえば、「お灸」や「置鍼(シール鍼, PTN)」などが該当するのではないでしょうか?


一般的な鍼施術は、体内に数センチ長の金属鍼を刺入れていくため、安全に運用するためには、解剖学的知識などが必要となります。内臓を傷付けるリスクがあるため、素人がセルフメディケーションで行うべきではありません。もちろん鍼灸鍼は医科(医師)または鍼灸師向けに販売されているため、一般的なドラッグストアなどで一般の方が購入することは出来ません。


「お灸」や「PTN」もリスクはありますが、専門家の指導の下、セルフメディケーションを行うことは十分に可能です。該当する商品自体もドラッグストアなどで容易に購入することが出来ます。


専門家から指導を受けよう

当院では「お灸」を提供していませんが、患者さんの要望・希望にあわせて「お灸指導」をしています。とくに、はじめはツボの位置や選び方、道具の使用方法が分からないと理由から「お灸」を買ったはいいけれど、どうしたものか、、、となっている方もいるはずです。実は、慣れてくると、ご自身でお灸をすえることはそんなに難しくはありません。


また、「お灸」と同様に「PTN」の操作も簡便です。アルコール消毒は必要ですが、シールと鍼(または突起)が一体となっているタイプが出回っていますので、シールを貼り付ける感覚で使用することが可能です。また、市販されている「こりすぽっと(家庭用貼付型接触粒, SEIRIN)」などは鍼ではなく、粒で按圧するタイプですので、「鍼が怖い、、、」「最初はハードルが高い、、、」という方はこちらから導入していくことをおすすめしています。


セルフメディケーションのメリット

1)在宅でも継続したケアを行うことで良い状態を保つ

リハビリなどでもそうですが、通所や病院で行うリハビリ以外にも、ご自身で適切なケアを在宅でも継続して行うことがADLやQOL向上に役立ちます。決して、医療機関や施術所にいる時だけが「治療の時間」とは限りません。どちらかと言えば、自宅にいる時間のほうが、ずっと長いことが多いはずです。


週数回の通院と、毎日のセルフケアによって、良い状態を保つことは重要です。とくに進行性疾患や慢性疾患に悩んでいる場合は、ぜひセルフメディケーションを試してみてください。


2)負担の軽減が可能

身体的な負担の軽減のほかに、経済面でも負担軽減が可能となります。例えば、「お灸」や「PTN」をご自宅で行うことによって、鍼灸師が行わなくてもよい部分をカバーすることが出来る場合があります。


負担軽減によって、治療の継続性や、通院回数の確保がよりしやすくなるはずです。当然ですが、鍼も週1回よりも、週2回、、、3回と受ける方がより効果的です。


さいごに

当然ですが、セルフメディケーションだけでは、全ての症状や傷病に対応は出来ません。あくまでもセルフメディケーションは医療を補完する部分に過ぎません。


上手に「専門家による治療(施術)」と「セルフメディケーション」を併用することによって、よりADLやQOLの向上が望めるはずです。「通院中だけ」ではなく、「在宅も」を念頭にいれながら症状改善を目指していきましょう。


「お灸」や「PTN」などに興味のある方はぜひご相談下さい。


※「お灸指導」などは、指導内容によっては別途料金がかかる場合があります。事前にご相談下さい。

最新記事

すべて表示

米ドキュメンタリー映画「9000 Needles」を鑑賞して

著者の母校である天津中医薬大学の第一附属病院は、「醒脳開竅法(せいのうかいきょうほう、xing nao kai qiao fa)」という特殊鍼法が有名です。 醒脳開竅法は、1972年に石学敏教授によって開発された「脳卒中後遺症に対する鍼の治療方法」ですが、手技や刺激量があら...

頚椎症に対する遠隔取穴の効果

頚椎症に対する「局所取穴」と「混合取穴(局所+遠隔)」の効果を比較した文献「不同远端取穴针刺治疗颈型颈椎病的临床随机对照试验(和訳:異なった遠隔取穴による頚型頚椎病に対する鍼治療のランダム化比較試験)」[1]を見かけたので読んでみました。...

麻痺に伴う代償運動が及ぼす影響

運動麻痺の回復期を過ぎた後、身体機能が悪化していくことがあります。とくに、不完全治癒の場合、加療を中断した後、一定期間が経つと運動機能の低下が生じ、中断時点よりもより悪くなる傾向にあります。その原因の一つが「代償運動(だいしょううんどう)」によるものです。...

bottom of page